ホクトベガ②
女王になったホクトベガ。
だが、ここで引退はしない。彼女は走り続けた。
しかし、成績は順調ではなかった。
引退して子供を産ませて上げたほうがいい。そう思っていた。
もう、女王ではなくなってしまったのだろうか・・・
1995年6月 エンプレス杯 ダート
芝の上を走ることが殆どだった彼女にとって、砂の上を走るということはどうなのだろう。
がんばってほしい・・でも・・・
しかし、そんな不安はいらなかった。レースは圧勝。
18馬身もの大差をつけて。感動した。
このために生まれてきたのだろうか。
その後、次々とダートレースで勝利をものにしていく・・
国内敵なし。
そして、国内でのレースは川崎記念をラストに、ダートの世界一を決定するドバイワールドカップへと旅立った。
1997年4月3日
このレースが無事終了したら引退し繁殖牝馬になることは確実。
「よかったね。やっとお母さんになるんだね。あとはのんびり過ごすといいよ。」
しかし、レースの結果は・・・
レース中に他馬と接触、転倒し骨折。そして、安楽死。
ショックだった。
ここまで来て、本当のゴールはすぐ目の前にあったのに。
もう二度と日本に帰ってくることもなく、その姿を見ることも出来なくなった。
後から友人から聞いた話だが、騎手をかばうように転倒したと・・
こうして、あれから何年経った今も忘れることはなく、キーボードを打ちながら涙が溢れてくる。
今でも、私の心の中で「砂の女王」は走り続けている。
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